みどりのこかげ - 30代初マタ&フルタイム共働き-

30代で初めての妊娠、フルタイム共働き、両実家遠方…。幸せな家庭と自分らしい働き方を望む30代女性の日常。

出産② 人工破膜

*** この記事は出産① 雨の中の入院 の続きです。***

 

入院2日目。

9時診察。またも助産師さんに軽く腕をおさえられる。この「腕をおさえられる」=「これから一定以上の痛みが発生しますよ」というサインだと理解した。呼吸を落ち着かせながら先生の処置を待つ。

…痛い。

…が、深呼吸で乗り切る。なお、産後に聞いた話では、これで泣き叫ぶ人も普通にいるらしい。←我慢しましたアピール

この時点で子宮口3〜4cm。少し進んでいて僅かに安どした。バルーンを抜き、子宮口開大の進行を待つことに。また、私は無痛分娩をする予定だったので、麻酔の針ももうセットしておくことになり、処置をしてもらった。記憶曖昧だけど確かこの時だったと思う…部屋に戻ると、助産師さんからこれ以後食事が出ないことを告げられた。無痛分娩で麻酔を打つ場合、吐き戻しなどのリスクを考慮して軽い飲み物以外は摂取してはいけないことになっているからだ。


11時40分、内診。もう内診と聞いただけで憂鬱。それに段々と内診を重ねる毎に痛みは蓄積されていく。

余談ですが‥‥

妊娠出産にまつわる「内診」、痛み伴いすぎじゃないですか?っていう…。内診って、医師がポンポンと聴診器を身体にあてるようなイメージだったんですよね。けど、妊娠してから色々衝撃すぎた…。妊婦健診も衝撃だったけど、でもまだ全然耐えられるレベル。少し痛い場合もあるかな程度。分娩前の内診はレベルが違いましたね。内臓を金属の器具でグイグイ押したり広げられたりする感覚。そして実際いざ出産となったら、今度はこれ(内診)をはるかに上回る苦しみとなるのだからとんでもないですよね…。

閑話休題

で、内診。朝と子宮口開き具合変わらず、少し進行を進めるため、いわゆる「内診グリグリ」。内臓をぐりぐりするような痛み。今でこそ冷静に文章書けるけど、当時自分のスマホにメモした言葉は3文字だけでした。

 

 

「えぐい」

 

 

一言。もう饒舌に説明する気力もなければ、冗談めかして書く余裕なんか1mmも無い。そして、子宮口の開きが進行していないため、午後より促進剤投与決定。心がズーンと重みを増した。促進剤を投与すれば赤ちゃんに会える時が近づくとも言えなくない。けれど、私は「このまま子宮口がなかなか開かず、大量の促進剤を投与し続けることになるんじゃないか…」という、言い知れぬ不安の方が大きかった。


午後、促進剤を投与。陣痛らしきものが始まる。のちにこれが本陣痛認定されるんだけど、自分としては昨夜より軽かった気がする。痛みは15〜30分感覚。促進剤の投与量は30分に1回レベルをあげていくとのこと。…で、案の定どんどん投与量が増えていくことになる。

この頃、実父母が見舞いにきてくれて、痛いながらもまだ普通に話せる程度だった(夫はまた私の実家から産院へきて付き添ってくれていた)。両親は1時間程度で帰り、その後だんだんと痛みが増していった。

途中、2度ほど助産師さんから「痛み止め(麻酔)どうします?」って聞かれたんだけど、「まだ耐えられる」と謎の我慢力を発揮してしまい、「大丈夫です…」と固辞してしまった。今思えばあの時の自分に言ってやりたい。正気になれ、今投与しないでいつするの?今でしょ…(泣)

数時間経過し…、そろそろ痛みも限界か…というか次に内診になる前に麻酔投与しといた方がいいんじゃない?という事に(今更)気付き、傍についてくれていた夫にも、「麻酔頼もうかな…」と話していたまさにその時。

 

「midokoさん、内診です~。」

 

あ、終わった…(色んな意味で)、と思った。内診の前に麻酔お願いすればよかったと後悔しても間に合わず。内診室へゆっくりと向かう(痛いので)。そして内診でまたグリグリ。エグい痛さを味わった…。助産師さんが手を握り「ふぅ〜~~…」と呼吸を誘導してくれ、それに倣い力を抜くよう努めなんとか乗り切った。

しかしこれで終わりかと思いきや、ここで私の魂を切り刻む事態がやってくる。医師はしかめた顔で独り言のようにこんなコメントをした。

「進んでないな…」

「膜がxxxでxxxようになってるな…」

そして、看護師さんにこう指示した。

「あれ取ってくれる?爪の…」

 

爪?!

 

…TSUME?

 

血の気が引いた。爪っていった?爪が何か知らないが、どう考えても激痛のイメージを伴う器具が用いられる予感しかしない。もしかして卵膜が癒着してるとかで膜を剥がされるのか?何か切られるのか?

そうこう思っていたら、私の腕をおさえる助産師さんが隣で補足説明してくれた。「破水させますからね、そうすると陣痛進みますからね。」

え、麻酔してないですよ?無麻酔で?

そう聞く暇もなく、先生は「爪」と呼ばれた器具を装着した。爪を入れられ、私の卵膜はガシガシ引っかかれた。人工的に破水させるこの処置を「人工破膜」というらしい。。卵膜を破るのだ。尖った器具で。ちなみに、この痛さは子宮の形状や状態によって個人差も大きいらしい。私の場合、卵膜が厚くなっていたようで、それを人工的にひっかいて破る処置は、それはそれは激痛で。もし戦争で捕虜に拷問があったとしたら、きっとこんな感じではないかと思った。拷問。麻酔も無く直に内臓をえぐられるような。

痛くて痛くて、人生で初めて痛いと言って泣けた。そして破水した。